心に疼くような傷があり
その部分を気にすれば気するほど
他人と深く交わることが怖い。
そうおっしゃる方に
お会いしたことがあります。
自分に非があるのかどうか
わからなくても
心にある傷をどこかで
気にしているからか
他人から訳もわからず
怒鳴られたり
避けられたり
疎まれたり
気がつくと人が怖くて
一人でいることが
楽に思えていた。
そうおっしゃりながらも
孤独であることも
気になさっていました。
”他人は怖い”
こういう思いから
人に頼ることもせず
一人で何でもやることが
当たり前。
そうおっしゃってらした
その方に
別れ際に何の気なしに
ハグをしました。
どうしてよいのか
わからず
戸惑いながらも
腕を私の背に伸ばし
胸と胸の温もりに
触れたとたん
堰を切ったように
泣き出します。
子供のように身体全体を
揺すりながら
大声をあげて泣きながら
「あったかい。人ってあったかい」
こうおっしゃいました。
そう、人ってあったかい。
いろいろ傷つくことも
あるかもしれないけれど
その傷を包んでいやすほどの
温かさを持つのが
人なんだと
小さな小さな温もりから
ご自身の心をも癒やし
また他人を
信じられるようになると
いいなぁと
その小さな背をいつまでも
見送りました。
もうずいぶん昔のこと
南天の実が赤く映える時季でした。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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