“心象風景に色が戻る”
誰かに心の内側を話すだけで
何が変わるというんでしょう?
深い悩みの淵に立っているときほど
“色を失った心の世界に
鮮やかな色彩が戻ることなんて
もうないのかもしれない”
こんな風に思われるかもしれません。
私自身にも、こう感じていた
時期がありました。
灰色がかったモノトーンに染まった
心内の一部を
ただ誰かに聞いてもらうだけで
何かが変わるなんて・・
そう思っていました。
ところが、私の場合は友でしたが
実際に変わりました。
話し終えた途端
他者の温度が熱をともない
内側まで伝わりくるかのように
色のなかった心象風景に光が差し入り
色彩が少しずつ戻った気がしたのです。
閉めきっていた窓から
温かな陽射しと
新しい空気が入り込み
暗いばかりか
空気の流れそのものが滞っていた
心の内側の世界で
再び対流が生じたといったら
いいのでしょうか。
不思議な気持ちでした。
相談室を訪ねてらした方々が
それまで抱えてらした
それぞれの思いを打ち明け
お帰りになる頃にはなぜか
皆一様に揃って
表情や発する空気に
色がついたように見えるのは
気のせいではないと思うのです。
向き合う私が何より
色を取り戻したかのような
お顔や雰囲気に驚き
その “美しさ” に感動する
瞬間でもあります。
ただ話をするだけでも
内側ばかりか外に放つ世界まで
こんなにも変わるなんて。
そう伝えたくなるのを抑え
ただ晴れやかな表情と
いらした時より軽い足取りで
お帰りになっていく
その背中を見守るように
送らせていただいています。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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