ある女性が言いました。「私はいつも選択を前に迷ってばかり。やってみればいいのにあれこれ考えてしまって動けないんです。私、弱いから・・」。
また別の場ではある男性が「皆の前でもっとハッキリ自分の意見が言えればいいけれど、どう思われるのか、相手を傷つけてしまうのではないかと考えると怖くて何も言えません。僕は弱くてダメな男なんです」と肩を落とします。
さて、弱さってなんでしょう。強さってなんでしょう。
私はご自身のことを弱いと言っている方々に本当に弱い人を見たことがないような気がします。皆さん、いたって強いです。
例えば、迷ってしまって動けなくなるのは慎重だからであって様々な方面から対象の事項を眺め、じっくりその物事と向き合い検討してみる力があるということです。即断がすべてではありません。慎重さ、多角的にものごとを検討することができる。それも立派な強さです。
一方、相手や周りにどう思われるか不安で決然と思っていることが言えないのには、もちろんうまく意見がまとまらなかったり、相手の返してくる反応に傷つくのが怖いという恐れもあるのでしょう。けれども、向き合う相手に対し思いやりがあり誠実だからこそ言葉を選ぼうとしたり言い方を考え過ぎ逡巡してしまうこともあるのではないでしょうか。これもある種、強さではないかと私は思います。良い悪いのジャッジはできませんが、言いたいことをそのままポンポンと場や相手を考えずに口走る人々も多い中で、向き合う相手を考えて自身をコントロールする術を持つ強さだと言えるでしょう。
弱い⇔強いのような対義語のほとんどは表裏一体だったりします。強さの定義はそれこそ多岐にわたると私は日ごろから考えているので、皆さんが「弱さ」だと思い込んでいることのほとんどが実は見方を変えれば様々な「強さ」であることに気づいていただけるかもしれません。弱さを基に考えるのではなく、生来備え持ったあなたならではの強みを基に、さらにご自身がどう変われたら幸せなのかを考えると少し気持ちが楽になり、前向きにもなれるのではないでしょうか。
ぜひ今日から少しずつで良いので、ご自分が弱さだと思っていた部分に光をあて、強さに言い換えてみてください。
これまで気づかずにいたご自分に内在するたくさんの資質を発見できることと思います。それは紛れもなく、あなたにしかない大切な宝物だということをどうか忘れないでください。
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皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
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