もう何年も前になります。我が家には両親が知人からもらっ
真っ黒な瞳のなんともいえない可愛いお顔をした雑種犬も、お婆ちゃんになるまで生きて晩年は乳ガンに苦しみます。患部が膿たみただれ動物病院での治療もだんだん功を奏
膿みただれ腐敗する患部の血肉の臭いにどこからともなく集まってくるたくさんのハエ。夏が近づく季節ですとなおさらでした。
自ら体や頭を振ってそれらを払い退ける力もなくなったコボに、お世話になっていた獣医師が「ここまで頑張り過ぎ
その動物病院の受付台にはいつも、前肢の一本ない無愛想な白猫が座っていました。それまで何度も訪ねていますが一度も、誰
家族3人それぞれがお別れを告げると、最期を迎えるためにコボは奥の部屋に連れていかれました。獣医師に処置をされたであろう瞬間のことです。受付台に座っていたその無愛
けれども、私にはなぜかすぐに、コボの魂がこの白猫の体を借りてお別れを言いに来たのだなとわかりました。
患部の腐敗がひどく抱っこも長いことしていなかったのできっと最後くらい甘えたかったの
ふと、「コボの魂が借りていた白猫から離れ、去
しばらくして我に返ると白猫は何もなかったかのようにいつもの受付台に上り、いつものようにぶすっとした顔つきで座っています。
私の膝上には温かくて柔らかい「生命のぬくもり」だけが残っていました。
昨年11月に愛猫を亡くされひどく悲しまれていた友人にお話したことに続き、先日伺った知人宅の飼い猫に懐かれふいに思い出す大切な家族との最期の交わり。
目には見えないけれどきっとある、ふしぎな世界のおはなしです。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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