
都内へ戻って仕事をしていますが
松本を発つ際に経験した
かつて、私にも覚えがある
見知らぬ土地の他人様のお力が
ありがたや、ありがたや・・
のエピソードとなります。
ネットで購入した切符を
手にするために
発券機に並んでいると
列で前に並んでいらした
信州での山登りを終え
家へ戻る途中であろう
20~30代くらいでしょうか
日に焼けた若い男性に
話しかけられます。
私が手にしていたスマホを
”大変申し訳ないのですが
少し、お借りできないでしょうか”
との申し入れに
その低姿勢な様子や
困っていらっしゃる
事情の説明に納得して
”どうぞ、どうぞ”
とお貸しすることになります。
どうやら、松本駅では
ご自身が日頃から使っており
もちろん使えると思った
交通系のネットアプリが使えず
加えて、残りわずかだった
スマホの充電は切れてしまい
乗車予定のあずさより
早めに下山が叶ったのか
ネット手配の切符を
一旦変更し
購入し直す必要がある
といったところだったようです。
がっつり大荷物の
どこから見ても
下山してきたばかりの
登山者とあって
PCやタブレットを
お持ちのわけもなく
特定のアプリへ
アクセスをして
変更手続きをしなくてはならず
頭を抱えていたようでした。
一緒に並びながら
ご本人が希望するあずさの
出発時間が迫るなか
順番が来るまでに
私のスマホで手続きを
完了させていらっしゃいました。
「おかげさまで大変助かりました」
と丁重にお礼をおっしゃり
何度も頭を下げながら
私の乗車予定のものより
一本先に出発するあずさへ
乗車するべく
改札口へ向かって
人混みに消えていかれました。
ふと、私自身の30代を
思い出してしまいました。
中東から東京へ仕事で戻る途中
社が手配したフライトでは
タイはバンコクで
長いトランジット時間があり
丸一日、市内へ出て
観光が叶うような
乗り継ぎのスケジュールでした。
現地、中東で
滞在拠点が一緒で
他の仲間たちを含めて
よく一緒に飲んでいた
(ん?禁酒の国です。念のため)
他局のバンコク支局から
現地に入っておられ
中東における取材の
ビザの都合で
いったん本拠地である
バンコクへ戻っている方と
せっかくだから
丸一日、観光などに
付き合っていただき
久しぶりのバンコクの街を
ご一緒しましょうと
約束していたのです。
相手がバンコクへ
中東から一時戻る前に
既に、私の帰国日と
フライトは決まっていたとあって
遊ぶ約束はしており
”空港まで迎えに行きますから”
と相手の本拠地での
携帯の連絡先を受け取り
こちらの到着時間や
航空会社、便名などは
伝えてあったものの
今のように携帯を個人で
使いこなす時代では
まだなく
特派員以外は行く先々の国で
海外仕様の携帯を
その都度手に入れるとあって
帰国の際には他のスタッフへ
携帯を引き継いでしまい
帰国時には
連絡手段は何一つありません。
飛行機が現地を発つ時間が
かなり遅延したとあって
バンコクに到着しても
相手がちゃんと
待っているかどうか
連絡手段がなく
どうしたらよいのか
と初めて気づいたのは
到着ロビーに出てからのことでした。
先述の通り
相手がタイで
普段から使用している
携帯の連絡先は
事前に受け取り
控えてあったものの
出国までが本当に
バタバタと慌ただしかったため
私自身に連絡手段がないことに
まるで考えが及んでいなかったのでした。
我ながら、お粗末なものです・・・。
そこで、私がとったのは
まさに今回の若い登山者と同じく
目に入った見知らぬ他人様で
携帯を持っている人
そして、声をかけやすそうな方に
その場でお願いをして
携帯をお借りして
相手に連絡をとるといった
手段だったのでした。
タイ人と思われる
お若い女性の方でしたが
何一つ訝しがることなく
快く貸してくださり
通話料すら受け取ることを
なさりませんでした。
今から20年以上も前の話なので
デジタルを使いこなす度合いも
今程ではないものの
やはり、旅先でのピンチに
大変ありがたかったことを
よく覚えています。
今の時代は
乗り物への乗車も
スマホやウォッチ一つ
紙の乗車券なしで
容易に扱える一方で
充電が切れた時や
アプリが使えないなどの
不具合時には
やはりアナログの手段は
まだまだ欠かせませんし
何より、他人様であっても
どなたかの助けも欠かせません。
懐かしい一コマを
思い出しながら
私たちが
どこにいて何をしていても
困った時には
その場で袖触れ合う誰かと
瞬時に繋がり
力を借りることができることを
しみじみと
感じるひと時でした。
今夏も、日本国内や世界各地を
旅なさった方々も
多かったのかもしれません。
旅先で触れ合う
他者とのささやかな触れ合いも
きっと、旅の大切な思い出と
なっていらっしゃることでしょうね。
投稿者プロフィール

- こまつまさこ心理相談室(安曇野ルーム)心理カウンセラー
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