なぜか私の周囲には山男が多い。
そう感じたことがあります。
学生時代はもちろん社会人になっても
周りに集う友人や付き合った異性が
こぞって山岳部出身ということもありました。
皆、生まれも育ちも東京はもちろん
横浜や京都、名古屋、大阪と
いった具合に都市出身なのに
思春期に山に魅せられ
早ければ中学、そして高校、大学と
山岳部やワンゲル(ワンダーホーゲル)部出身
という人ばかりなのですから驚きます。
私は父が長野県は安曇野の出身ですし
学童期にここで過ごしたこともあるので
こうして25年近くぶりに訪ね来て
改めて腰を据えて住んでいても
山に当然、親しみはわきますが
幼少期、あるいは学童期以外の
長い時間を過ごした
海が身近にある千葉や東京も
私のアイデンティティーには
山以上に親しみを覚える心象風景として
深く刻まれているので
海も懐かしさを覚える場所です。
松本で知り合った方のお父様が
広島のご出身でありながら
東京の学生時代にやはり山に魅せられ
大学在学中から会社を引退される
晩年に至るまで毎年30数回の頻度で
山登りをなさっていたと
伺ったことがあります。
娘が縁あって都内から長野県は松本に嫁ぎ
これは幸いと
75歳を過ぎて山岳都市である
松本へ足を運びやすくなったものの
「歳を重ねた身には山が近くて恐い」
登山で頻繁に訪れてらした時代以来
久しぶりに松本や安曇野を
嫁いだお嬢さんを訪ねていらっしゃった際に
開口一番
そうおっしゃったのだそうです。
私も運転中、山を眺めながら
「山が恐い」
そう感じることがたまにあります。
特に、翌日が雨になる前には
山が急激に近くに見える現象が
生じることも
こちらに来て教えていただきました。
遠くの白馬岳など大町市方面の
普段は北アルプスの右端、遠くに
眺めているスキーのメッカでもある
白銀の山々が
もうそこ、目の前に迫るように
見える現象があるのですね。
ましてや、日常のなかで毎日眺める
北アルプスの主峰、常念岳などは
もう手に掴めそうな気がするわけです。
同じく我が家の弟の子供たちも
まだ上の3人が小さい時分に
遊びに訪ねてきた際に
運転して平野部から北アルプスの山際へ
向かう一本道を運転している最中に
「山が恐い」と
一斉に声を上げたことがありました。
都市だけで生まれ育っていると
やはり普段見慣れない山が
目の前に迫るのは
どこか心理的に恐れを抱くことも
あるのでしょうね。
日常のなかで当たり前のように
暮らしていると
山が馴染みになってしまい
敬う気持ちを忘れてしまうこともあります。
山がそびえ立つエリアで暮らすからこそ
自然に対し、より親しみを覚えると同時に
その壮大なる景色を前に
時に、自然に対して小さな存在である自分の
思い上がりを戒めるような
畏敬の念を抱く対象として
「山が恐い」
と畏怖を覚える原始的な感覚は
大切にしていきたいなと感じています。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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