天使のような歌声をもつ
その女性に初めて会ったとき
10代頭くらいなのかなと私は思いました。
実際には20代半ばなのですが
ずいぶんと小柄で華奢な体つきとあって
もっと幼く見えたのかもしれません。
床に寝転んで何か独り言をいっている。
そんな感じの出会いでした。
自由に飛び回る小鳥のような彼女は
会ってすぐには近寄ってくれませんでしたが
だんだんに心を開いてくれ
横にちょこんといてくれることも増えました。
重度の障害をもって生まれた彼女は
歌がとても好きでした。
魂からの叫びだけを頼りに
生まれてこのかた
一人で出かけたこともなかった彼女が
電車に乗って隣町までやってきたそうです。
好きな歌を歌いたい一心で
施設で出会った大好きな先生に
歌を教わりたい一心で
ただ一目散に山の中にあるスタジオへ
一人でやってきたのだそうです。
日常の行動さえままならなかった彼女を
温かく、そして忍耐強く
彼女が自分の意志で考え行動できるよう
見守り応援し続けた方々がいます。
彼女を特別扱いするでもなく
音楽以外は指示して指導するでもなく
一人の尊い存在として、彼女に敬意を払い
歌うために、生きるために
必要な日常や訓練を一緒にやる。
まさに歌が上手になりたいという目標をもつ
彼女の伴奏者であり伴走者として
寄り添い続けたのです。
好きな歌のレッスンを欠かさず
日本童謡コンクールへの参加を
決めたと、目にした
先生方の Facebook 投稿で知りました。
いつのまにやらグンと成長され
数年前に一緒に並んで歩いた時分より
意志のある目つきになり表情もさらに豊かに
そして、体幹もついたのか
体つきも若干逞しくなったように
公開された映像からは伺えました。
私たちの生きるこの世界には
国籍や宗教、性別、見た目の違い
健常者か障害をもつか
生まれ育ちや備わる肩書の違いなど
さまざまな分別が多く存在しています。
それらを越えて
この地球上で生きる同じ地球市民として
それぞれの枠を越えつながりあう。
生まれたての子供が何一つ
他者との分別をもたないのと同じく
そこへ回帰する行動(活動)が、今
あちらこちらで芽を出し
成長しているような気がします。
なんだかステキですね。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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