これまでの人生で
親やきょうだい、友人、恋人、パートナーなど
多くの人から贈り物をいただいてきた私たち。
言葉や行動はもちろん
温かな心遣い、思いやりのある態度など
どのタイミングで気づくにせよ
目に見えないたくさんの贈り物にも
私たちは感動に心震わせてきました。
では、目に見える物ではどうでしょうか?
皆さんの心を最も震わせた贈り物はなんでしょう。
そして、いつまでも心にも残っているもの。
時代と人によっては
初恋の相手の制服のボタンやリボンなんて
ロマンチックな方もいらっしゃるかもしれませんね。
お花の類は、その生身の姿は永遠には残せない
けれども心には贈ってくださった相手の気持ちが
ずっと刻まれ続ける代表的なものかもしれません。
私にとっては、といろいろ考えてみました。
こんな春爛漫のちょうど今時分
陽気に恵まれた穏やかな陽射しの下
一緒に散歩をして桜を眺めた人がいました。
ほのかな恋心を抱く相手と
ほんのわずかな時間、桜並木をお散歩するだけで
辺り一面が薄紅色に染まった世界は私のためにある
と、思えてしまうほど幸せなときでした。
満開を迎えた桜たちはその花弁を風に乗せて
花吹雪のように舞わせています。
ダンスをする桜貝のような淡いピンクの花弁に
包まれ歩いていると・・
肩を並べる相手がとっさに「あ」と声をあげ
彼の手のひらに乗った
桜の花の個体そのものに歓声をあげています。
自然に手のひらに入ってくる桜の花弁は
吉兆のしるしなのだとか。
花そのものがボトッと手のひらへ
偶然にも落ちてくるなんて珍しいですよね。
その花を「はい、プレゼント」と
これまた惚れ直すようなとびきりの笑顔で
私に渡してくれました。
どれだけうれしかったことか。
何より、今という瞬間を切り取った
吉兆の兆しの桜の花弁どころか
先程まで枝で咲き誇っていた薄紅色した花本体が
舞い込み落ちた想い人の手のひらから
直接受け渡される喜び。
いい歳をして、そのまま桜の花弁と一緒に
舞い上がりそうな勢いでした。
帰宅するといただいた桜の花をそのまま
白紙に押し花のように包み大切にしまいました。
これまでの人生で異性からもさまざまな贈り物を
いただいてきたはずで
それらはどれも、大切な思い出深いものばかり。
けれども、とっさに
「パートナーや想い人からもらった贈り物で
一番心に残るものをひとつ」と
言われると、最近ではなぜか必ず
舞い込んだというよりは
想い人の手のひらにボトッと落ちてきた
桜の花を思い出してしまいます。
相手への上ずったようなときめきと
「今この瞬間」という
計っても計りきれないタイミングが
重なったものだからなのでしょうか。
昨日、立ち寄ったカフェで
若い女の子たちが彼氏からのプレゼントについて
口々に軽快な会話を弾ませていました。
お金のかかるもの、自分が欲しいもの・・。
どんなものでも良いと思います。
でも、今この瞬間に相手に恋している
ご自身の素敵な気持ちも大切にできるような
目に見える、あるいは見えない贈り物を
たくさんその生活に、そして心の内にも
刻んでいって欲しいなぁと思いました。
物には換算できない想いや「ある限られた瞬間」は
人生においてそう頻繁に味わえるものでは
ないのでしょうから。。。
投稿者プロフィール
-
今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
最新の記事
- 食べて癒す2024年12月13日お菓子の家とおせち料理
- 季節のたより2024年12月12日日時計に追われる冬の暮らし
- 大切なこと2024年12月11日平和を願う源の思い
- きょうのつぶやき2024年12月10日我が家のトイレの窓から