「まさこちゃん、ここはガマンする場所じゃないから・・」
その一言にどれだけ私が救われたかわかるかな?
学生時代、細かいことは忘れてしまったけれどなにもかもがいっぱいいっぱいになってた時期があって、いつものように笑いながら他愛のない話をしていたはずなのにあなたの前でとつぜん自分でもよくわからず涙を流してしまったことがあったね。
思いがけずにこぼれた涙をあわてて隠そうと指先でぬぐったわたしにあなたが言ってくれた言葉だった。
誰も泣かないような映画を観ても大泣きするのに、自分の辛いことは我慢してがんばってしまうわたしをよく知っているあなただからこその一言。うれしかった。
わたしはその言葉に安心して堰をきったように、子どもみたいな大声上げてわーんと泣いた。どれだけ泣いても涙は次から次へとあふれて、何時間もあきれるほどにひたすら泣き続けた。
わたしはこんなに苦しかったんだ。こんなに悲しかったんだ。ほんとうはわたし、ずっと泣きたかったんだ。
あなたは泣きじゃくるわたしの横に腰かけ、何も言わずにただずっと「うん、うん」とだけうなずいていてくれた。
さんざん泣いたら心が軽くなって、びっくりしたの。あれからわたしは泣きたいときには素直に泣けるようになったのよ。
たんぽぽの綿毛のように大切なものだけを持って身軽に飛べばいいのに、欲張ってたくさんの荷物をあれもこれも抱えるから重くなって飛べなくなってしまうんだね。
ほんとうに大切なものはそんなに多くないはずのに・・。
思い切り泣いて、心が軽くなったらもう一度飛べる気がしたよ。
あのときあなたが言ってくれた、「ここはガマンする場所じゃないから、大丈夫だよ」。
あなたがつくってくれた “ガマンしなくていい場所” 。わたしもほかの誰かのためにつくっていきますね。
ありがとう、わたしを受け止めてくれて。ありがとう、ただ一緒にいて心に寄り添ってくれて。あなたと出会えてよかった。ありがとう・・。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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