昨晩、授業の後
いつもよりも遅めに帰宅すると
両親が観ていた番組を目にします。
本日のタイトル通り
日本テレビさんの長寿番組です。
この番組が放映されると
ほとんど決まり文句のように
親の口をついて出てくる私自身の
「はじめてのおつかい」。
偶然、昨晩は最年少だという
小さなお子さんが出演なさってらして
(1歳8ヶ月、しかも安曇野市!)
小さな足でよちよち歩いて
ご近所におつかいに行く姿に
涙腺の弱い父は早くも
その姿だけで涙腺を決壊させています。
私のはじめてのおつかいは
弟が生まれる半年ほど前といいますから
母は1歳6ヶ月か7ヶ月くらいと
記憶しているようです。
当時住んでいた千葉県は市原市の
商店街にあるパン屋さんへ
食パンを買いに
出かけたことだったとか。
私は、歯も生えていないうちから
周囲も驚くほどよくしゃべり
何でも「自分でやる」といって
きかない子だったらしく
その日もパン屋へ自分で行くと
言いだしきかなかったのでしょう。
毎日一緒にお買い物に行く
通りの右側歩道を歩いていけば
途中、信号はあるものの
大丈夫だろうと
ある意味、大変度胸のある
母親の判断で
希望通りパン屋に買い物に
行かせることになったのだそうです。
私は歯が生える前の
10ヶ月よりもさらに短い
6~7ヶ月くらいで
ハイハイはもちろん一切せず
つかまり立ちや
つかまり歩きもすることなく
突然歩き出したらしく・・。
もちろん、そうなるまでは
しばし自主トレのような
時間があったことと思います。
母が覚えている限り
自力で立ち上がっては
バランスを崩し転び
少し泣いては
また立ち上がって歩こうとし
懲りずに転ぶ・・。
これを繰り返しているうちに
気づいた時には
「うんちょ、うんちょ」と
掛け声をかけて
トコトコ歩き出していたそうです。
母親の友人たちの間では
「歯がないのに歩くなんて!」と
気味悪がられたようですが
他人の目線など気にもせず
歩けるようになった喜びを胸に
(ほんとかいな?)
とっとことっとこ歩いた模様。
パン屋へのはじめてのおつかいは
当初、一人で行かせようとした母に
休日で家にいた父が噛みつき
妥協案として父が私の背後から
電柱や建物の陰に隠れながら
秘密探偵さながらに
後を追ってついてきたのだそうです。
そんなことも知らずに
丸々として体格のよかった私は
昨晩のテレビのお子さんのような
よちよち歩きの
愛らしい足取りというよりは
どっしりとした安定感の足取りで
嬉々としてパン屋へ向かったようです。
生きた心地がしなかったという父は
ハラハラし通しだったようですが
教えられた通り信号をちゃんと渡り
パン屋に入っていく姿に
驚きながらも見つからないよう
必死だったのだとか。。。
2歳未満にしては
かなり言葉をしゃべったとあって
店員さんとの会話は
ちゃんとできると判断した
母の思惑通り
店員さんとちゃんと会話をして
買い物を済ませ
店を出てきた辺りから
父は涙腺が決壊しっ放しだったと言います。
大人の足で片道7~8分ほど。
往復で15分弱の道のりを
えっちらおっちら太っちょいのが
歩いている後ろを
父親が気づかれないように
隠れて尾行する様子は
傍目に見るといささか
滑稽だったのかもしれません。
家まではこれといった障害がない
エリアまで来た父は
脇道から先回りして玄関ドアに
飛びこむなり
膝をついて倒れ込むように
大声をあげて泣き出したそうです。
「まあちゃんが一人でパンを
買いに行けた!!!!」
感嘆と安堵が入り混じり
近所中に響き渡ったという
父の泣き声は
「おいっちょ、おいっちょ」と
掛け声をかけながら戻ってきた
私の到着と共に
一旦、止まったようですが
その光景は今でも母の胸に強く
刻まれるシーンなのでしょう。
二人そろってその話をすると
当時に戻ったかのような
温かい空気が部屋に流れ出します。
当の私は
番組中でも過去に出演したお子さんたちが
成長して立派になられた姿で
再訪するスタッフと再会して
回想するシーンでも観るとおり
当時のことは感覚を含めて
まるで覚えておりません。
ただ、しつこいほどに出てくる
この話を耳にするたびに
ケンカをするたびに憎らしくなる
父を赦す気になり
また改めて深い感謝を覚える
大切なエピソードであることは
間違いありません。
番組に出演なさった小さなお子さんたちが
ご両親をはじめ
街の皆さんの深い愛情に見守られ
「一人でできた」という自信を胸に
スクスク育っていらっしゃることを
幼き時分の我が身と重ねて
願わずにいられない夏の夜でした。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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