二十四節気の「大雪」を過ぎ
まもなく「冬至」を
迎えようとしている時節ですが
少し前に戻って秋のおはなしです。
一昔前まで、一度、他人様より
御遣い物としていただいて以来
見た目が気に入り
秋になると買っていた和菓子があります。
清閑院さんの『深山の錦繍』という
蒸した浮島に色彩豊かなしぐれが乗せられ
その上にこれまた鮮やかな
モミジの葉やイチョウを模った練りきりを
添えられた美しい和菓子でした。
大きいサイズだったので
切り分けて何度も楽しめることも
気にいっていた理由の一つです。
和菓子ひとつとっても
皆さんそれぞれに
見た目にも
お味にも
お好みはあると思うのですが
目で風景さながら季節を楽しめ
さらに味わっていただけるという
菓子に限らず日本の食に対する
美意識は素晴らしいなと
改めて感じています。
子供の頃に海外で口にした
大きくてあったかさは伝わるものの
どちらかというと大雑把な
身近なお菓子たちを思い出すと
日本人が古来から大切にしてきた
季節の微細な変化を取り入れた食と
見せ方、味わい方に関して
その手先の生み出す
繊細な技術の素晴らしさは
本当に感嘆の域に感じられます。
季節を感じながらいただく感覚。
これからも大切にしていきたいなと
思っています。
写真はもう何年か前のものですが
今秋、『深山の錦繍』を久しぶりに
購入してみようと思ったら
清閑院さんの店頭
またはネット販売からも
消えてしまっていました。
お好みもそれぞれなので
何かしらの理由があって
既に製造されていないことは
少し残念ではありますが
これから冬至を迎え
お正月を含めた
季節感あふれる様々なイベントを
迎えていくにあたり
精巧な手業にて作られた
様々な食文化に触れられることを
楽しみにしながら
寒い季節を乗り切っていきたいと思います。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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