年が明けてまだ寒い時分から
年度末のこの時期に至るまで
地方都市の道路には
少しずつ
初心者マークを貼った車が
目につくようになります。
高校を卒業した若者たちなのでしょうか。
私は10年近く前
長野に来てからという
ずいぶん遅いデビューだったので
ものすごく苦労して免許を
取得したことを
昨日のことのように覚えています。
必死な故に、「まさか!?」的な
あれこれやらかすことが多く
教習所内で歴代始まって以来の
名物の人物になっていたほど。
時間オーバーをしまくり
ファイルを預けるたびに
トホホを吐露する私は
教習所のほとんどすべての
教官の皆さんに応援を
いただいていました。
女性の事務局スタッフさんや
教官の方々からは
特に励まされ
「小松さんには無事免許をとって
卒業して頂きたいけれど
小松さんの顔を見れなくなっちゃうのは
寂しいから、複雑な気持ち・・」
なんて言われるほど
ここには書き切れない様々な
伝説を作り続けていました。
うーん、私も複雑な気持ち・・。
初めて教官なしで道路に出た日。
免許は長野で生きていくために
必須でしたが
できれば二度と乗りたくないほどに
恐怖が募っていたことも
よく覚えています。
駐車場でちゃちゃっと
チラリ後ろを見ただけで
すーっと車がバックで収まる。
義理の妹が「え、普通ですよね?」と
言うことが私にはちっとも
普通ではありませんでした。
運動神経に自信があった私に
運転免許の取得でのあれこれは
自己像に相当なダメージを
与えたような気がします。
それでも、母を病院に連れていったりと
運転せざるを得ないことが重なり
路上へ久しぶりに出たのは
それほどまでに苦労した
免許取得から既に3ヶ月くらい
経ってしまっていました。
交差点ではフリーズするわ
左折、右折でもおろおろ
自ら巻き込みを呼びそうな
えらい顛末です。
それでも、実際の路上では
股の間でクルクルとハンドルを回す
大型車を運転する
おにぃさんやおねぇさんをはじめ
多くの優しく礼儀正しい運転者の
皆さん方にずいぶんと
助けていただきました。
初心者マークを温かく見守る
社会の優しい目に
見守られながら安心して
また実際の運転のマナーを
教えていただきながら
今日に至るまで
安全に運転できています。
どんなことにも、どんな人にも
初めてのことがあって
それは運転免許同様
一旦感覚に落として
身体と脳が一体になって
身につけるのには
人によって飲み込みや
実際にできる早さも
異なるのでしょう。
それでも、いつの間にか
できなかったこと
怖かったことが
できるようになっている驚き。
初心者マークを街で見かける度に
自分のヘッポコぶりを
思い出しては微笑ましく思うと同時に
多くの方々に助けられ
ここに在ることに
改めて感謝を覚えます。
運転の話に特化しましたが
心の扱い方も
同じ部分があるのかもしれません。
誰かにとっては何でもなく
できてしまうことでも
誰かにとっては
少しっやっかいだったり
苦手意識が先行してしまったり。
それでも、ご自身が
自ら心のハンドルをしっかり
握れるようになりたいと
意思を持っていらっしゃる。
そのひたむきで純粋な
お気持ちに少しでも
寄り添えるよう
今日もありたいと思っています。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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