会社勤務をしていた時代に
華道を教えていただいていたことが
ありました。
大きな国際スポーツイベントで
毎年一緒に仕事をしては
お世話になっていた
外資系企業のオフィスまで
月に2度ほどお邪魔しては
お部屋の一室で
華道をやっているわけです。
花は好きでしたが
我流で生けていましたから
知り合いが師範とあって
お声かけいただいた際は
二つ返事でお願いしたものです。
流派はいろいろなのでしょうけれど
共通するのは
”引き算の美学” でした。
与えられた素材を
すべて使いきろうと
するのでなく
数ある中から自分は
何を用いたいのかを
自ら選んで生ける。
最初のうちはそれはそれは
大変でした。
子供のように、与えられた素材を
ありったけ使おうとするので
てんこ盛り状態でした。
少ない素材で3次元を
演出することとは無縁の
欲張り三昧の生け花です。
華道など何も知らぬ
同じく仕事でご一緒していた
仲の良い米国人の仲間が
どんな様子か覗きにきては
「ワーオー、ゴージャス!!!!
まさこらしい~っ!!!」
と賛辞を送っているつもりで
雄叫びを上げる・・。
「オー、ノー・・・
そうじゃないんだって・・」
とその度に凹んだものです。
華道は引き算。
あれから20年近くが
経ってしまいましたが
華道に限ることなく
私の日常の中で「引き算」は
大切な軸になっていることに
気づきます。
年齢的にあれこもこれもと
欲張ること自体が
少なくなってきたのか
あるいは欲張っても
それを一旦吟味して
取捨選択する力がついたのか・・。
ものごとを考えるのに
結構助かっているんですよね。
時々、懐かしい ”てんこ盛り” の
生き花を思い出しては
吹き出し笑いを
一人してしまいますが
シンプルなことが
今の自分にとっては
居心地良いことだと
わかっていることは
何よりだと思っています。
そういえば、草木も繁茂した
春以降から秋までの
青々とした状態が好きでしたが
いつの間にか
枯れ木立に造形美を見つけては
感動している
自分もいたりして。
その都度、その都度
変化していく自分の感覚
「心地よい」を大切に
心豊かに暮らしていけたら
いいなぁと
思っています。
そう、自分にとって
それが心地よいのかどうか。
それで良いのかもしれませんね。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ