北アルプスをすぐ身近に感じる
それはそれは美しい風景でした。
夕暮れ時の空と山が
ダムの水面に映える
北アルプス山麓。
苦労して階段を上った先に
地上からは見えないこの景色は
広がっていました。
数千メートル級の北アルプスの
山並みの息吹が
すぐ間近に感じられる気がします。
先日訪ねた大町市は
映画にもなった
アジア最大級の「黒部ダム」の
玄関口となっている
いくつものダムを有す地域。
街のシンボルであるダムを
連日綴っている
開催期間を終えたばかりの
北アルプス国際芸術祭でも
作品の一部として
コラボさせていました。
最終日の日暮れ近くに
見て回った作品群は
七倉ダムという
山腹のエリアにありました。
子供のようにはしゃいで
ぐらりと転げれば
そのまま崖下に吸い込まれるような
高見に上って
ナスカの地上絵を思わせる
出展作品を撮影していると
「勇気がありますね~」と
声かけくださる人の姿。
先に気づいて
同行した父が親しげに
会話していたのは
開催地・大町市の
市長さんでいらっしゃいました。
その市長さんが歩いて
下の写真のような
ダム脇の階段を
上るとおっしゃるので
好い機会だと
私たちもご一緒してみることに・・。
駅の階段を走り上るように
テンポよく
ほとんど駆け足で登り始めた私は
最初こそ楽々でしたが
途中から地獄をみます。
膝が笑って前へ出なくなるという
痛い目にあいました。
私の後から息一つ乱さずに
上ってらした市長さんは
「子供の頃から山の中で
駆け回っていましたからね」
と頂上でも余裕の笑顔です。
ぜぇぜぇはぁはぁ言いながら
眺めた夕暮れ時の山の風景に
心が洗われるようでした。
階段を上らずに作品だけを
眺めることでも十分でしたが
上ったおかげで
そこからしか見えない景色と
出逢うことができました。
私たちの日々掲げる
日常における目標や
目指すところも
これと似たところが
あるのかもしれません。
”あそこまで行ってみよう”
そう決めた先に
広がっている世界や眺め。
膝が笑い
ぜぇぜぇ言いながらも
眺めを見たい一心で
ひたすら登り続けた先に
とんでもなく素晴らしい風景が
広がっていました。
そこは見ても見なくても
どちらでもいい場所。
ただ、見ようと思った人の前に
広がる景色なのでしょう。。。
北アルプス国際芸術祭参加作品「不確かな風向」(磯辺行久 ISOBE Yukihisa 日本)
◎測量調査し収集した風の流れのデータを視覚化したという自然環境を意識した独特の作品でした。
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小松万佐子から皆様へのメッセージ