”自分がしたことより
してもらったことへの思い”
たくさんの人々と接して
毎日を生きていると
お互いに影響を与えあって
生きていることを
改めて思い知らされます。
他者からしてもらった
何気ない言動を
いつまでも感謝と共に
覚えていることって
ありますよね。
逆に自分がしたことは
忘れてしまっていることが多い。
でも、それでよいのかなと
思っています。
私のそんな思いの原点は
幼稚園時代の
引っ越し間際に
クラスメイトのお母さんが
くださった
アンデルセンの童話集です。
いわさきちひろさんの挿絵で
アンデルセンの童話が
いくつも載った
大人でも楽しめる素敵な本。
裏表紙をめくった場所には
そのクラスメイトの写真が
丸く切り抜かれて貼られ
下にはサインペンで
お母様からのメッセージが
綴られています。
その女の子には
小児麻痺のほか
いくぶん
知的障害があったように
記憶しています。
身体も他の子供に比べると
一回り小さく
それでも制服を着て
毎日休まず通ってきていました。
特に仲良しというわけではなく
ものすごく気を遣ったこともなく
一生懸命、思い出してみても
一緒にいる仲間として
当たり前のことをしているだけ。
そんな記憶です。
それでもお母様の残した
メッセージには
過分なほどの感謝が綴られ
こちらが照れてしまうほどでした。
お顔をくしゃくしゃにして笑う
M子ちゃんの写真と共に
綴られたメッセージの最後には
「M子のことをいつまでも
忘れないでね」と
締めくくられています。
今でも本棚に置かれた
この本を眺める度に
お母様が一文字一文字
心を込めて綴ってくださった
やさしく温かいメッセージと
M子ちゃんの
くしゃくしゃな笑顔を
思い出します。
もう、会うことは
なくなってしまいましたが
いつまでも
胸に刻まれています。
私にとっては当たり前の
なんでもないどころか
よく覚えていない
M子ちゃんと一緒に過ごした
一つ一つのできごとを
あんなに喜んで
感謝を綴ってくださった方が
いらっしゃる。
もうそれだけで
ありがたいことだなと
むしろ私の心にずっと残る
素敵な贈り物をいただいた
気持ちになります。
自分のした好意は忘れても
人からしてもらったことに
感謝を忘れない。
素敵なアンデルセンの童話集は
今でもそんなことを思い出す
大切な原点となっています。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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