ぼさぼさの木

こんなにぼさぼさになってしまった木(誰か技術のある人刈ってけろ~)

 

人は何面もの魅力をもっている

 

もう何年も前になります。

冬に何人かで地域のお祭りを

見に行ったことがありました。

 

真冬の猛吹雪の中

松本市の山奥に入ったエリアの

伝統的な火祭り。

地元の方に勧められて

県外から来て市内に駐在のお二人と

地元の若い女性と4人で

私が車を運転して出かけることに。

 

猛烈な吹雪で先が見えないような中

運転が大して上手ではないうえに

雪道にまだ慣れていなかった私が

運転していくわけですから

ヒヤヒヤです。

 

火祭りは雪の積もった

田んぼの中で行われます。

 

山中に到着し

車を駐車した後

炊かれた火の近くまで行くには

雪と泥が混じるあぜ道を歩き

さらに田んぼの中へ

入らなくてはなりません。

 

素晴らしい火祭りを堪能し

泥で靴底を滑らせながら

再び駐車場へ戻りました。

 

帰り道も

賑やかに皆で談笑して

吹雪で視界が悪く

周囲がほとんど見えない

山道を運転し戻ってきます。

 

帰宅して車内を見ると案の定。

田んぼの泥をそのまま

持ってきたかのように

足元はもちろん

前の座席の背や

助手席のダッシュボード近くまで

見事に泥んこの嵐でした。

 

それも想定内だったので

掃除をしていると

一か所だけ

まったく汚れていない

綺麗な座席があることに

気づきます。

 

地元から参加した若い女の子の

座っていた席でした。

 

泥はもちろん、

他の座席では

私の危なっかしい運転に

ヒヤヒヤしたこともあって

相当な力が入ったのでしょう。

敷いたビニールのカバーまで

泥だらけのみならず

ぐちゃぐちゃになっている始末。

 

ところが、その女性の座った席は

何一つ乱れておらず

綺麗なままだったのです。

 

彼女は、年上である2名からは

「だらしない」と

しょっちゅう言われていました。

 

念のために説明すると

駐在していたお二人は

通っていたスポーツ道場の

指導者だったので

教育的な要素もあって

彼女に対しそういう見方を

なさっていたのかもしれません。

 

マイペースで

自由人に見えるその若い女性は

規程にこだわる方々からすると

何かしら言いたくなる

対象だったのでしょう。

 

彼女の気さくな性格に乗じてか

物を言いやすい空気感も手伝い

指導者2人からは

言動にダメ出しされることが

多かった彼女。

いつも何を言われても

笑っていました。

 

でも、私は知っていました。

そんな彼女はお料理が得意で

何もかも几帳面にこなす性分。

 

いい加減などころか

5歳年下の妹さんを

ご自身が小さな頃から

仕事でほとんど家にいない

お母様に代わって

すべて世話をしていたことなど。

 

他人に対して

どういう見え方をするのか。

 

本人の見せたい見せ方も

あるのかもしれませんし

それはわかりません。

 

私たちが普段から

付き合いの程度に関係なく

向き合う相手の

一番印象的に目に映る面から

相手を「こうだ」と

思い込んでしまう ”色めがね” 。

 

その色めがねを外し

少し違った面から

相手を知った時

これまで見えていなかった

相手の一面を尊重して

多面から相手を受け止めて

いきたいなって思います。

 

件の彼女は

あの冬の火祭りの日。

 

ただ一人、車に乗る前に

地面にブーツ底を

何度も叩きつけたり

こすったりしながら

泥を落としていたうえ

しばらく姿が見えず

「すぐにふらふらどこか
行っちゃう、自由人なんだから」

と苛立ち混じりに

他の二人に揶揄されていたとき。

 

道路わきの盛られた雪山に

靴底をあてさらに丁寧に

汚れを落としていたことを

その時は

私たちの誰一人

知りませんでした。

 

春のぼさぼさの木

まだこのくらいの春先のうちに刈ってあげたかった・・ 見た目は少しは大事ですね

投稿者プロフィール

小松万佐子
小松万佐子こまつまさこ心理相談室(安曇野ルーム)心理カウンセラー
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皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
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