可哀想なくらいボロボロになったリース。
外して、なぜかとってありましたが
そろそろお焚き上げならぬ
廃棄してもよいかなと思っています。
乾燥させた花は
良い気を保ちたい室内には
置かないほうがよいと
以前、ある方に
教えていただいたことがありました。
これはもう好みの問題で
そう気にする必要はないと思います。
素敵なインテリアのアクセントとして
築70年をゆうに越すこの長野の家では
昔から、生花ほどではないですが
あちこちに吊されたり
飾られていた気がします。
ただ、他人様の気を整える場所として
家を利用するようになり
澄んだよい空気で部屋を充たし
そのエネルギーで自分も
元気で心地よく過ごすには
やはり生花や生きた植物たちの力が
必要だと個人的には感じています。
写真のドライフラワーも
おそらくどなたかが作品として
プレゼントくださった
それこそ何十年も家にあった
ものでした。
シックなリースで美しい姿のまま
飾られ、保存されていましたが
先の話を伺ってから
気になったので部屋から外し
どこか利用場所がないか探したのが
門先に吊すことでした。
こちらの相談室に所属してから
当初はカフェやオンラインが中心の
カウンセリングでした。
それでも、しっかり感情を出したい方々
あるいは
深い療法をお求めになる方々には
公に場所を出さずとも
現在使用しているルームへ
お越しいただいてきました。
父の公務の手前
看板が玄関先にあるうちは
公には紹介がしにくく
公式サイトのアクセスページに
ようやく載せたのは
思えばわずか昨年の11月下旬です。
初夏の始まり辺りから
実際に、カフェでなく
ルームにいらっしゃる方々が
増えていたこともあって
こまめにブログでは
ルームを紹介しつつありました。
でも、所在地をサイトに公開してからは
まだ1年も経っていないことになります。
初秋くらいからこの行き場のなかった
リースを門先のとってに掲げ
「今日は営業中」
を暗に知らせるシンボルとしていました。
雨の日も、風の日も
台風の日も、日照りの強い日も
このリースのつる下がった門を開け
最初は不安そうな顔で
お帰りの際、あるいは通ううちには
安心した様子で
門をくぐっていらした皆さんの
お顔を一つ一つ思い浮かべます。
あるときは暴風で飛ばされ
無残に転がっていたところを
駐車場から歩いていらっしゃる
クライエントさんたちが
「落ちていました!!!」と
拾ってきてくださいました。
風雨にさらされ
突風に飛ばされる度に
ドライフラワーの花々が飛び散り
今では見るも無惨な
基礎の針金がむき出しとなり
ほとんど花やリボンのない
古ぼけたリースになってしまいました。
改めて眺めると感慨深いです。
私たちの仕事にとって
もちろん知識は必要ですが
それはあって当然というか
必要最低限の基盤であって
他の分野や業種と同様
いくつになっても生涯
その研鑽は続くものだと
思っています。
けれども、そうした知識からの
理屈や理論をわざわざ表に出して
目の前にいる人々に照合しながら
相手を見るかというと
そうではないと考えています。
ただ、目の前にいる相手を感じ
その相手を眺めたときに
基盤となって血肉化している
知恵や知識、そして
日々や人生のあらゆる経験が
自然と融合して
その方が何を訴え
何を求めていらっしゃるのかを見極め
そのために必要な気づきや学びを
その方自身が見つけられるよう導き
最適かつ最善の策を一緒に
考えていいくことなのだと思います。
そんな風に見つめ続けた人々の
歩んだ軌跡が
この古ぼけたリースと重なり
ルームで日々繰り広げられる
劇的にドラマチックな
お一人お一人
かけがえのない人生の時間を
鮮明に思い出させてくれます。
改めて、このわずかな時間に
信じられないほど大勢の方々に
来所いただいたことを想い
その震える思いや抱える苦しみを
一足先に門先で受け取っていた
古ぼけたリースを通して
しみじみと実感しています。
このリースは感謝を込めて
丁寧に焼かせていただきますね。
ありがとうございました。
そして、これからも
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿者プロフィール
-
今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
最新の記事
- 季節のたより2024年10月14日どんな秋、見つけた?
- 小さなしあわせの種2024年10月13日安曇野の車窓から
- コンサルティング2024年10月12日その場の空気と対話を通しての学び(講演を終えて)
- 日々のほっこり2024年10月11日源氏物語と青春の日々