伊達さんのカボチャ小豆

 

都内へ戻って仕事をしていますが
隙間、隙間で歯医者など

年末ならではの
私用もこなしているなか

次の移動場所までの
タクシーを捕まえるために
慣れたエリアを徒歩で移動中

洋服のお直し
および縫製を請負う

長くお世話になっていた
知人のお店の前を通りかかります。

 

いつも帰京の度に寄ったり
店舗の前を通るわけでなく

戻っている間は、時間が限られ
予定が矢継ぎ早とあって
移動にもスピード感があるため

友人と会うことさえも
仕事で帰京する毎月のタイミングでは
なかなか叶わないですし

訪ね寄りたい馴染みの
大事な方々のところへは
いっそうご無沙汰になりがちです。

 

件のお直し屋さんについては

数年前にも、来客中を
やはり、通りがかかりに立ち寄り
ご挨拶を交わしたことがあったくらい。

 

今回も、たまたまタクシーを
止めやすいエリアまで移動するに
通りかかって

シャッターが開いていたので
”いらっしゃるかな”

と通りから覗いたら
いらしたとあって

急ぎ足で次の予定に向かう途中であるも

10~15分くらいでしょうか

狭い布地や縫製道具に囲まれた
一坪ショップに近い店内で
互いに立ち話を交わしました。

 

若い時分は特にありがちな

体形が大きくなったり
細くなったりを繰り返すなか

常に肩幅や腰回り、ウエストなどを
調整していただき

ジャストサイズを心がける
お手伝いをいただいた方です。

 

その他にも、長く愛用する
大切な衣類たちを

より快適に着こなすための
その時々の工夫を相談しては
お力を借りていました。

 

場所が、六本木であることに加え
それこそ何十年も前からある
古いお店ということもあり

黒柳徹子さん親子など
多くの著名な方々にも信頼されていらした
(今もそうでいらっしゃいます)

衣類に関しては心強いばかりか

訪ねる度に、様々な近況や心境を
互いにお話してきた
大切な年上の知人でもいらっしゃいます。

 

私の母と、ほぼ同じ齢と
昨日改めて伺い驚いたばかり。

 

「お店で転倒して・・」

との発言に

会えば何も変わらず
時がそのまま戻るように感じる
お相手であっても

私ももちろん、お相手も
年齢を確実に重ねていらっしゃることを
しみじみと思い知らされます。

 

そろそろ移動しなければと
近況をお話したり伺ったりで
店を去ろうとした際に

「あなたもここまで、本当にいろいろな経験を重ねられて
また困難をも乗り越えていらっしゃいましたわね!
そして、やりたいことを次々と実現なさっていらっしゃる。
なのにね、初めてお目にかかった頃とお姿はまったく変わらないわ。
店の扉を開ける瞬間に、お名前を名乗らずにいらしても一目で
もちろん、すぐにわかります。
わたくし、あなたをずっと応援しているのよ。昔も、今も変わらずよ」

と、おっしゃるとともに

「ねぇ、もしよろしければ」

と、タッパーとゆずの入った
紙袋を差し出されます。

 

「お友達が ”18時くらいにはお店に寄るから”
というので持ってきたのだけれど
転んだ際の腰が痛いので今日は早々に
お店を閉めて帰ろうと思うの。
よろしければ召し上がっていただけるかしら」

 

そうおっしゃって
タッパーに詰められた

手作りの冬至のかぼちゃと小豆を煮た
季節の食を手渡してくださいました。

 

仙台のご出身の方とあって
仙台で採れた柚子も一つ入った紙袋。

 

何よりも温かな言葉の数々を添え
遠く離れていても見守ってくださり

その後どうしているのかを
気に掛けてくださる方々が

こうして戻ってくる街には
あちこちにあることを
改めて痛感して
胸がじんとするのでした。

 

都心における住まい

何世紀も超えて
開業医と一軒家を兼ねて
存在してきた虎ノ門の家や

途中から家を出て
一人暮らしをしていた
麻布界隈というのは

”一般の人が住まうには・・”

(どちらも、官庁街であったり商業地域が主なエリアとあって
特にかつての虎ノ門に関しては、人と人がご近所と心通わし暮らす
というイメージがまるでつかないエリアだったようですが

町内会もあれば、心を通わせる昔から住まう方々が多いエリアでした。
ただ、昨今では再開発に伴い外から都心へ進出する新しい住民層も増え

また異なるイメージが街にはついているようです)

と一昔前までは言われていた
エリアですが

そこで、特に多感な
大事な時期を育った者にとっては

多くのご近所さんや
人情が深い人たちに見守られながら
育てていただいたような

”独特の暖かさ” があったりします。

 

要は、立ち寄る場所という場所で
可愛がられ、お互いを尊重し
尊敬しあえる深い信頼関係が

たとえ目上の方々であっても
築かれている場所なので
戻ると安心する感があります。

 

それこそ、何十年経っても
しばらくご無沙汰していようとも

外見こそ変化しようとも

内なる世界は変わることのない
真のお姿と絆が
そこにはあったりします。

 

厚くお礼を申し上げて立ち去った際

手にした紙袋からは
どこか母親の思いに似たような
思いの温かさをじんわりと覚える

2025年の冬至の一日でした。

 

◎写真は、いただいた小豆とかぼちゃを煮た冬至の食と柚子。たいへん美味しいお味でした。
今回のエピソードに出た方は、推薦の言葉を頂戴しているデザイナーのご夫妻とはまた異なります。まさに、一方は既にあるものをお直しを通して長く愛用するために、一方は、私の頭の中にある新たなイメージを洋服の形として表すお手伝いをしていただく、いずれも大変長い付き合いの、どのようなことであれ、話せないことはないのではないかしらというくらい人生の節目節目の状況や状態を見せてきた方々であります。

 

投稿者プロフィール

小松万佐子
小松万佐子こまつまさこ心理相談室(安曇野ルーム)心理カウンセラー
今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ

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