オレンジ色のヒャクニチソウ

 

たまたま朝方
早くから仕事へ出かける前に
ついていたNHKの番組で

コンビニの現場の特集を
やっていました。

 

番組中、カスハラの場面で

出てきたセリフの一例を
実際に並んでいたレジの前方で
見かけたことがあり

自分ごとのように
腹がたったことを思い出します。

 

あの当事者が
あの言葉を吐くには

元々の性格も
あるのかもしれませんが

その日にあった
心をかき乱すようなことや

潜在的に持つ
苛立ちや不安も
あったのかもしれません。

 

言葉の裏の思いを
酌むことはできますが

「こんな仕事、誰でもできる・・」

といった目の前の相手や
自分もお世話になっている
その仕事を軽んじたような
発言は悲しいです。

 

”ならば己が、やってごらんなさいな!”

”自分はなんぼのもんじゃい!!”

 

私自身、学生時代のアルバイトから
主にメディアの世界に身を置き

ある意味、限られた世界にて
専門分野のなかで育ったことから

それ以外の世界へ出た際に
気づかなかった
己のへっぽこぶりを

イヤというほど
思い知らされた時期があります。

 

1年にも及ばない
あの貴重な時間が
あったからこそ

今の、こうして復活して
社会に貢献しようと
働いている私がいるといっても
過言ではありません。

 

長きにわたり、学業や
日々、心を病んだ母と
向き合い続ける生活を経てきた身で

いい歳こいてから再び
長い、長いブランクを経て
社会へ復帰するきっかけとして

もっというのであれば
自分自身の人生のトラックへ
戻るにあたって

その足掛かりとして
働かせていただいた
ホテルのお仕事を思い出します。

 

心理の仕事を控えていたとあって
長く働くことが
適わないことを条件に
お世話になって

たくさんの
ありがたく大切な学びをいただいた
初めて携わるお仕事でした。

インバウンドが増加するなか
外国語ができることを
重んじられパート採用されるも

私の持つバックグランドは
マネージャーの胸だけに
納めていただき

周囲の方々には
一切明かさず、漏らさずに
いていただきました。

 

私に備わるものや
ここまでの過去は

あくまでも過去であって
あるいは今の私自身
本体ではなく

社会から離れる時間が長く
そこから再生しようとする
まさにそのタイミングの私にとっては

何一つ意味をなさないばかりか
高慢さや不要かつ
薄っぺらい自尊心を生み

ゼロから学ぶ場で
できたつもり・・
になっていたのでは

何一つ学べない
再生はできない

と思ったことからでした。

 

いい歳をして
高校や大学を卒業したばかりの
若い方々でさえ
学んでいるであろう

お金の数え方や帳簿の付け方
といった一般的な事務から
客室のお掃除一つに至るまで

不慣れとはいえ
何から何まで
ちょうどにできない自分に
愕然として

毎日、ハイジに登場する
ロッテンマイヤーさんのような
教育係のような存在の方に
怒られながらも

必死にできるようになろうと
仕事をしていた日々を思い出します。

 

ただ、怒られても怒られても
何一つ反感を覚えたり
腹がたったことはなく

むしろ、何に対しても
学びをいただいていることに
感謝しか覚えませんでした。

 

指摘を受けた点や
できないことを克服することに
常に意識はゆき

どうしたらできるようになるかを
真摯に考え試し続ける
全神経と意識を集中させた私がいた。

 

毎日くたくたで
深夜に帰宅した玄関で
バッグを脇に抱えたまま
寝ていることさえあったほど。

 

無我夢中で仕事を覚え
一人前にできるよう目指す過程で
自らの心の在り方を眺めた際に

「大丈夫だ。私は必ず再生できる」と
強く確信できたのでした。

 

目の前のことに
何一つ気持ちを逸らすことなく
ただ無我夢中に
そして真摯に向き合え

何を言われようと
どんな態度をされようと

それらをすべて自分の力に
換えるような努力ができる
自分がそこにいたからでした。

 

あの時の私は

”すぐにでも何かしらお力になれるはず”

と安易な気持ちで始めた
自らの心を強く戒めたことを
よく覚えています。

 

どんな仕事でも
目に見えることと
その実情は異なり

何一つ手落ちなく
一人前になるにあたって

どれほどの意識と努力
そして自らの勉強が大切かを

しかと学ばせていただいた

生涯でおそらく類がないほどの
学びの時間だったように思います。

 

お世話になった仕事は
むしろ非常に専門的な分野だったと
思っていますが

どのような仕事であっても

簡単そうに見えること
思えることほど
実は決して簡単でなく

それは何事も
自らの身を持ってして
やってみない限り

何一つわかったようなことは
言えないという持論を
改めて体感する時間でもありました。

 

”自分はなんぼのもんじゃい!”

 

私自身は、自らに
常に問いかけるこの意識を胸に

物事や人、そして社会と
向き合ってゆきたいと思っています。

 

投稿者プロフィール

小松万佐子
小松万佐子こまつまさこ心理相談室(安曇野ルーム)心理カウンセラー
今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ

予約をする(空席確認)

小松万佐子のカウンセリングのご予約確認(24時間対応) ※お電話によるご予約は、 電話による予約方法(フリーダイヤル)でご確認ください。 Please click here to make reservations from my calendar.

コメントはお気軽にどうぞ