束の間の語らい

 

”呼ばれるってあるかな”

そう感じて
久しぶりに都心の墓参りに
寄らせてもらいました。

 

家族と一緒なわけでもなく
いつものように
管理する郊外に住まう縁戚に
あえて連絡するでもなく

たまたま仕事が近くで
久しぶりに懐かしの界隈を
炎天下の中、珍しく
タクシーも使わず
歩いて移動したからなのでしょう。

 

都心を離れて長野に住まいを移し
もう、10数年になるも

仕事で戻るようになる前から
歯医者や漢方医の通院はじめ
レッスンや様々な集いなど

毎月、数回は
何かしらの所用でこの10数年
欠かさずに帰京し続ける一方で

多忙な限られた滞在時間を
あえてここに立ち寄り
語らうことには
使っていなかった気がします。

 

それこそ、家族と一緒に
”墓参り目的で・・”

というタイミングでないと
なかなかねぇ・・
という感じでしたでしょうか。

 

長年の友人たちや知人
それこそ会いたい人々は
帰京するたびに
たくさんあるも

仕事で戻るようになってからの
ここ数年、特に2年間は特に

それすらも毎回
限られた機会という感じです。

 

そういえば、ここに眠る
大事な人、そう
お世話になってきた身内が晩年に

一人住まいでおそらく
寂しい思いをしていた時も

そんな風に、今を生きる自分が

やること、やりたいこと

会いたい人
会わなくてはならない人

それらにスケジュールが
埋め尽くされ
いつも後回しだった気がします。

 

都心の戦前から続く
医院兼一軒家で共に暮らし

家族がいない時間は
母代わりだった大事な人。

思い出すは
かけがえのないあの時間で

私自身の成長が重なる
大事な環境でした。

 

ブログでも何度か綴ってきましたが
とりわけ住まいのある
霞が関の官庁街傍らの街の変貌っぷりは

都心では最後の再開発の波により
たいへん著しいです。

 

地元なのに、アウェイ感が半端ない。

 

人生は留まることなく
流れ続けることもあって

その流れに飛び乗り
振り返る時間が限られていた。

そうとも言えるかもしれません。

 

生前、特に晩年は特に
ちゃんと寂しくないように
対応して差し上げることもできずに

当時はまだ、会社勤めをしながら
あるいは学生に戻ったりと

仕事や学問で日々
関わる人々との毎日に
楽しさや充実感を覚えるという

その時々の「今」を生きることに
あまりにも精一杯過ぎて

一方、訪ねる側も
その時々の体調や予定があることから

だんだんと予定を合わせるのが
億劫になっていった。

それが正直なところだと思います。

 

きっと
ずっと、ずっと、心のどこかで
後ろめたかったんだろうな・・。

そんな気がして思わず
涙が溢れ出てきました。

 

昨日の都心も暑い一日でした。

朝からしばらくの時間ずっと
冷房がこれまたガンガン効きすぎる場所で
対面セッションをしていたとあって

午後の遅い時間になっても
まだ炎天下である
青山~神宮外苑界隈の街中を
歩き回るには少しヘヴィでした。

 

それでも、思い出したように
いえ、どこか確信めいて

”ここに来ているということは・・”

と、お寺さんに寄って
墓参りをさせていただいてきました。

 

暑いなか、どれだけの時間
静かに対話をしたことでしょう。

 

静かな、そして束の間の
けれども大切な
大事な故人との語らいの時間を

深夜まで続く仕事の合間に
あえて設けてみた
梅雨時の暑い午後でした。

 

投稿者プロフィール

小松万佐子
小松万佐子こまつまさこ心理相談室(安曇野ルーム)心理カウンセラー
今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ

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