カエルの一人座り

 

お世話になっていた
都内の仲良し漢方医に
言われたこと。

 

”長野でなら運転免許の取得もいいけれど
馬に乗れるようになってもいいんじゃない?”

 

住まいを都心から長野へ移すのが
一時的なものだと
当時は考えていたので

まさか人生初の運転免許を
取得しなくてはならないほど
長く居ることになるとは

当初は、これっぽちも
思わずにおりました。

 

しかし、家族の容態は変わらず
苛立ちと焦りが募るなか

滞在が1年、2年・・と
経ちはじめた辺りで
身動きとれない不便さにジレンマを覚え
免許の取得を考え始めた際に

3週間に一度のペースで
都心へ帰京し
お世話になっていた
漢方医との会話で出た発言でした。

 

以前から、本格的な乗馬は
社会人になってから
やってみたいことの一つでしたが

会社で仕事をしているときは
なかなか実現が難しい環境でしたし

学生に戻っている時間は
それこそ寸暇を惜しんで
学問に没頭しているので
そんなことは考えもせず

その後、長野へ来た時分は
人生にこれでもか・・と
分散して起きても対処が大変で
半端ないエネルギーが消耗する課題が
一気に天井が抜けて落ちてきた。

そんな人生の時期でもあったので
乗馬など、優雅な発想をしている暇も
心を含めて生活のあらゆる面において
まったく余裕がありませんでした。

 

それでも、漢方医との
ウィットに富んだ会話は
いつも楽しく

実現がすぐには難しいことでも
心の息抜きにはなっていたように
記憶しています。

 

漢方医は医学生時代を含め
確か中高校生の時分も
山岳部やワンゲル(ワンダーホーゲル)部に
所属なさっていたとあって

都会っ子の割には
私以上に長野の山々や
各地域をよくご存知でした。

 

そうそう、こちらのブログでも
紹介した松川村のお餅屋さんも
この漢方医の紹介でしたね。

 『とんとんとーん(『与作』じゃなくてお店紹介『餅屋とんとん』)』

 

長野県と山梨県の境の
八ヶ岳の麓で学生時代から
乗馬を習っていたらしく
私にも、ぜひにと
勧めてくれたものでした。

 

馬に乗って街を歩いた際の
交通ルールなど
おもしろおかしく法律を含めて
話をしてくださったものです。
(診察の時間はいつもおしゃべりの時間でした(笑))

 

”馬に乗る予定がこの先あるなら
長野に済んでいても
名物の馬刺しは食べないほうが
いいかもしれないよ”

 

これも、件の漢方医の言葉。

 

何やら、お馬さんは
自分の肉を食べている人間が
本能的にわかるのだそうで・・。

 

ホンマかいな?

という感じですが
何故か頑なにそこは信じてしまい
未だに馬刺しを口にしたことは
ありません。

 

都内から遊びに来る友人達が
たまに、県内の別の地域や
松本市内に入ってから

高級な馬肉のいろいろを購入し
お土産としてお持ちくださることも
あったりするのですが

私はお馬さんに嫌われたら困ると
家族の中でただ一人
今でも口にせずにおります。

 

もう、今では
よいお年頃になっていますが

心のどこかでは
この先いくつになっても
この世を去るまでには

どこかで機会あれば
馬に乗って駆け回ってみよう。

そんな気持ちがあるのでしょう。

 

私がお腹にいた時分
母は、なぜか馬刺しが
食べたくて食べたくて
たいへん困ったそうです。

 

珍しい馬刺しを
買ってきてもらっては食す。

そうすると食欲は充たされ
不安な気持ちやお腹の痛みが
収まったのだとか。

 

お腹の中にいた私は
暴れ馬のごとく
狭い胎内が
窮屈でたまらなかったのでしょうか。

 

母によると日常的に
お腹の皮がぴょこんと
飛び出るほど
足蹴りの力が強かったらしく

まさに馬刺しパワー
そのものだったようです。

 

そんな私も「早く出せ!」と
蹴散らかして外の世界へ
生まれ出てみると

馬刺しは一口も食さずに
いつかお馬さんに乗って
野山を駆けまわる日を夢見る。

 

先日、家族が観ていた番組の
旅コーナーで
馬刺しの特集をやっていたので

思わず「馬刺しとアタシ」を
綴らせていただきました。

 

◎写真は安曇野市は山の麓の山麓線沿いにある「カフェ七ヶ月」さんのお庭にいたカエルくん。一人、何やら深く考えていらっしゃいました。生きたお馬さんの写真を馬刺しの話題に使うのは心傷んだため、カエルさんで代用です。

 

投稿者プロフィール

小松万佐子
小松万佐子こまつまさこ心理相談室(安曇野ルーム)心理カウンセラー
今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ

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