どちらも架空の物語でしたが
同じようなテーマで思い出す
映画が2作品あります。
『北京バイオリン』
『センターステージ』
前者はバイオリン、後者はバレエ。
どちらも自分に経験があるため
とても好きな作品であることに加え
鑑賞しながら重ねた公開当時の気持ちも
よく覚えています。
誰もが認める才能がありながらも
それを発揮することのない道を
選択する登場人物が
主人公だったり、そうでなかったり
立場はそれぞれでしたが
描かれていることが共通の2作品。
「センターステージ」はまさに
10代向けのバレエ青春映画でしたが
なかなか鋭いセリフも多かったことを
よく覚えています。
プロのダンサーを目指し
付属する名門校で日々、練習に励むダンサーたち。
その中の、誰もが認める
飛び抜けて才能ある女子生徒が
ある人との出逢いを通して
子供の頃からバレエ一筋だった人生を覆し
学校を辞め
プロを選択しない決断をします。
才能もあるけれど
それを維持、またさらに伸す
努力をも惜しまずにしてきた彼女を
熱心に応援してきた家族に対し
彼女が放った言葉が印象的でした。
「ママには才能はなかったけれど
情熱があった。
私には才能はあるのかもしれないけれど
情熱がないの」
こんな感じだったと思います。
毎回、少し食事量が増えたり
甘いものを口にしては
吐きだこが指にできるまで
トイレで吐く。
苦しみながらバレエを続けている
自分に気づき、その自分と
真摯に向き合っての決断でした。
誰もが羨む天性の才能を持つことは
そのまま持続的な情熱には繋がらず
周囲の過剰な期待を
背負い続けることだけに
意識は向かってしまい
自分が本当は何を望むかさえ
自らの心の声を
聴き取れなくなってしまった
そんな姿を垣間見て
いろいろなことを考えさせられました。
情熱と才能、どちらも備え持つケースも
あるのでしょうし
情熱か、才能か
どちらかだけを携え
そこからさらなる飛躍を望むケースも
あるのでしょう。
現在の心、精神医学に関わる仕事を通し
芸術、スポーツなど
各分野における最前線を含めた
類い希な才能に出逢い
そこに触れさせていただくことがあります。
どのような選択であっても
まずは、その方々ご自身が
とってつけた理屈ではなく
腑に落ちて
感情的に納得できる着地点を
私自身も伴走しながら
共に探す日々であることに
変わりはありません。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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