昨年、所用で出かけた小諸市で
わずか数十分ほどの気分転換の散歩のために
立ち寄った紅葉真っ只中の園内。

その出入り口に
入園時には気にならなかった
中華屋さんの出店がありました。

寒い中、かじかむ手を
こすり合わせながら
エプロン姿で唐揚げを揚げ続ける
年齢様々なお店の女性たち。

幟旗から、市内にある
中華屋さんだとはわかるのですが
地元ではないので
よくわかりません。

当初は、「ご苦労様でございます」
とは感じるも
気になっていなかったのですが

園内を30分余り散歩して
駐車場に向かう時分には

早朝から仕事をはじめ
予定が詰まっていたためか

コーヒーとフルーツ以外
摂れていないまま
夕方を迎えているとあって

お腹が空きすぎていたことに
改めて気づきます。

”空きっ腹に唐揚げは
命取りだなぁ・・”

などとぼんやり考えつつも
指先がうまく効かないであろう
晩秋の夕暮れに

こつこつ唐揚げを調理する
お店の方々の姿に
吸い寄せられるように
串に刺さった唐揚げを一本購入。

かじりついた唐揚げが
「唐揚げってこんなに美味しいの？」
と仰天するほどの味でした。

後にも先にも
あれほど美味しい唐揚げに
出逢ったことがなく
感動しまくったことを覚えています。

空腹に耐えかねて口にした
味だったからなのでしょうか。

秋の夕暮れ時に健気に出店で働く
スタッフさんたちの
素朴で温かい接客が
胸に染み入ったからなのでしょうか。

数ヶ月経っても
あの握りこぶしのように大きくて
ニンニクが絶妙に効いたお味と
カリッと揚がった食感が
忘れられません。

小松万佐子こまつまさこ心理相談室（安曇野ルーム）心理カウンセラー

今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
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忘れられない味