褒められることは
どんな人にとってもうれしい。
そう思っていました。
ところが、母の病と向き合ってみて
初めて「褒められる」ことが
負担になる方がいらいしたり
そう感じやすい
タイミングがあることを知ります。
褒めることが悪いのではなく
「何を褒めるのか」ということも
時にとても大切である
ということなのでしょう。
私たちの多くは
一生懸命努力した結果
達成したことを褒められると
その積み重ねた努力そのものを
褒められたと感じることが
多いように思います。
けれども、心の病を抱えていたり
気分が不安定だったり
調子が上がりきらない状態に
置かれている人を
同じように褒めると
それがすべてプレッシャーに
なってしまうことに
私も初めて母を通して
学んだ経験があります。
大丈夫だと思われたくて
見えないところで
もう十分必死に
本人的には努力をしている。
心が健康な状態のときなら
一体のはずの努力と結果が
心に何かしらの不安定さや
疾患を抱えている場合
結果のみを褒められたように
感じられることもあるのですね。
同じようにまたがんばって
結果を出さなくてはならないと
考えることによって
プレッシャーを覚えてしまう。
そのプレッシャーが堂々巡りし
結果、精神的にさらに
追い詰められる事態が
心の内側では起きています。
では、どうしたらよいか。
”その方が何を抱えて
がんばっているのか”
その事実を評価するような
伝え方ですといかがでしょう。
これはもしかすると
疾患のあるなしに限らず
どんな人や状況にでも
有効な褒め方かもしれません。
十分がんばっているはずの
相手を思いやり
がんばっている事実を認め
理解を示すことが
相手に安心感を与えるのでしょう。
疾患を抱える方であるなら
なおさらかもしれません。
「病気と人格はまったく別物」。
調子が悪いご本人はじめ
渦中にあるご家族はもちろん
周りにいる人間は
時に忘れてしまいがちですが
ささいな心遣いが
症状や取り巻く事態を
徐々に改善させていく
一助となることも忘れずに
大切にしていきたいですね。
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今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ