ベット・ミドラー(Bette Midler) の 「The Rose」です。
英語の歌詞なので「さあ、皆さんご一緒に~!」というにはなんだか盛り上がりに欠ける地味な選曲ですが今回のお題への回答として、私はあえて大好きなこの曲を挙げたいと思います。
「The Rose」は1960年代を中心に活躍した女性ロックシンガー、ジャニス・ジョプリン (Janis Lyn Joplin) をモデルに作られた同名の米映画「The Rose」の主題歌として有名なりました。この映画で主役の酒と麻薬に溺れる波乱万丈な人生を送る女性シンガーを演じたベット・ミドラーがあの独特の声質で歌い有名になった曲でもあります。
中学のころから洋楽が好きで、大学時代は英語の芝居に明け暮れていた私が若い時分にこの映画と主題歌に出会って以来、長いこと ”マイソング” としてずっと心にある作品です。
私は観ておらず知らなかったのですが、近年、日本のドラマでもドラマの主題歌としてこの曲をカバーした若いシンガーが歌い多くの方が知るところになった曲のようですね。
この映画の主人公のように栄光とどん底を繰り返し経験するような劇的な人生でなくとも、この曲の歌詞には人生のさまざまな場面で悩みの淵にある多くの人々を励ます何か独特の不思議な力があるように思います。
歌詞のなかで愛という言葉が繰り返されていますが、この曲を聴く人がどのような立場にあってもそれぞれの「愛」を感じることができ押しつけがましくないところも好きです。
私たちは昨年以来、誰も予期しなかったいまだかつて経験したことのない事態のなかで毎日暮らしています。不確かな情報はもちろん、見えるようで見えないさまざまなものに怯え、ときに何が最善かわからず途方に暮れたこともありました。
けれども毎日を懸命に、生きることを諦めずにこうして今日まで工夫を凝らし生活しています。
(以下、「The Rose」歌詞の最後より部分抜粋)
When the night has been too lonely 夜があまりにもせつなくて寂しくなったとき
and the road has been too long そして、歩む道があまりにも長すぎると感じたとき
And you think that love is only for the lucky and the strong
また、愛とは幸運で強い者だけに与えられているものだと思ったとき
Just remember in the winter ただ、思い出して欲しい
far beneath the bitter snows 冬の、深く厳しい雪のはるか下に
lies the seed that with the sun’s love 横たわる花の種が、春には太陽の愛を受け
in the spring becomes the rose バラの花を咲かせることを・・・
この歌詞のように、私たちも多くの規制ある生活のなかでも何かしら周囲に光を見つけそこに未来への希望を見出して、今ある目の前の日々をそれぞれのペースで歩んでいます。
コロナが明けて、晴れて皆さんと肩を組み大きな声で歌えるようになったら英語でなくても、この曲の素晴らしい歌詞を皆さんの頭の中に思い浮かべていただきながらハミングでいいので「美しく心の奥底に響くこの曲のハーモニーを人の声」で仲間と一緒に奏でてみたいです。
私、歌いながら伴奏しますね。
余談ですが、何年か前に参加したとあるアマチュアピアノコンクールのアンサンブル部門(チェロとアンサンブル)にて大好きなこの曲を本選で急きょ追加して演奏したことがあります。
「思い入れのある曲で、歌詞に意味があるので歌いたい」と当時の師匠に相談すると「アンサンブルとは本来、楽器の調べだけでその曲の持つ素晴らしさを表現するもの」と至極まっとうな返答があり、あえなく却下となりました。
ところが本番当日になって、どうしても歌詞をうたって励ましたい闘病中の友を思うあまりとうとう我慢できずに大事なアンサンブル部門本選のステージで演奏する3曲のうちラストだったこの「The Rose」でリハーサルどころか、カラオケはもちろん人前で歌ったことなど一度もないのに、いきなり会場である銀座ヤマハホールの音声さんに頼み急ごしらえで用意して頂いたマイクで歌いだすという前代未聞のことをやらかしてしまいました。
アンサンブル部門なので、とうぜん審査結果はさんざん、師匠の逆鱗に触れるは痛い目にあった記憶があります。
ですが、こう書いていたら懲りずにまた演奏、あるいは歌いたくなってしまいました。
今年は参加するかどうかまだ決めていませんが、近いうちどこかのステージでまた春の陽射しを待ち ”がんばる誰か” を想って歌いたいと思います。
できれば公式コンクールではないところで・・・。
【2021年2月のお題-1】「コロナ明けに、みんなで歌いたい歌は?」
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皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
小松万佐子から皆様へのメッセージ
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